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“未来都市のごみ収集”廃止

2010/10/13

環境省

 千葉NT・廃棄物空気輸送 時代は分別、資源活用

 印西市は、千葉ニュータウンの地下に張り巡らされたパイプでごみを運び集める「都市廃棄物空気輸送システム」の事業を、今年度で廃止する。2009年度のごみ処理量は当初計画のわずか2・4%。総事業費約110億円を投じ、「未来都市のごみ収集」とまで呼ばれた同システムだったが、分別収集やリサイクルが進む社会状況とは隔たりが大きかった。

 同システムは、国や都市基盤整備公団(現・UR都市機構)が整備費用を負担し、印西市が運営主体となって1996年4月から供用を開始した。ビルなどの投入口から捨てられたごみは、道路地下などに埋め込まれた直径50センチのパイプを通り、真空ポンプによって時速80~90キロで印西市大塚の収集センターに運ばれる。

 当初は139ヘクタールの範囲に総延長約10キロにわたってパイプを張り巡らし、1日35トンのごみを収集する計画だった。ところが、実際の対象面積は約43ヘクタール、パイプの総延長は約4・5キロにとどまり、実際のごみ処理量も2000年度の1日1880キロが最大で、09年度は1日850キロに過ぎなかった。

 不況の影響でニュータウン開発自体が進まなかったことに加え、「分別収集が広まり、資源活用を目指す社会状況と隔たりがあった」と同市クリーン推進課は話す。

 09年度に施設維持にかかった費用は8290万円に対し、契約企業からの収入は約450万円。同市はシステムの施設が来年3月で耐用年数を迎えるのに合わせて運転停止を決めた。

 システムは「役割を終えた」(同課)が、パイプや収集施設の撤去という課題が待ち受ける。同課では「多額の費用がかかるので慎重に判断したい」と話している。

出典:読売新聞

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