不法投棄:パトロール5年で成果 根絶を目指す7隊--鳴門 /徳島
2010/10/04
環境省
◇住民ら今月にも新隊発足
不法投棄に悩まされてきた鳴門市で、監視などのため地区ごとの住民らで作るパトロール隊が発足して今年で5年を迎えた。
現在、市内で7隊が活動に従事。市によると、大型ごみの不法投棄は減少しているといい、一定の成果を挙げている。10月にも新たな隊が発足する予定で、同市は市民全体での不法投棄根絶を目指す。
同市では、山間部を通る道路沿いを中心に数十年前から不法投棄が後を絶たなかった。1度の撤去作業で約20トンが回収されたことも。県警などによると、隣接する町や県外から市内に投棄に来る事案も少なくないという。
パトロール隊は、こうした状況に危機感を募らせた地元住民の発案で、05年4月にまず板東地区に1隊が発足した。その後、各地区で結成が相次ぎ、今では7地区で計約200人が活動に加わる。
隊員は、自分の車に「不法投棄監視中」などと書いたステッカーを張って地区内を巡回。小さなごみは自分で回収し、粗大ごみなどを発見した場合、鳴門警察署や市に通報する。08年からは、県や鳴門署などと連絡協議会を作って連携を強化している。
市によると、不法投棄に関する統計などはとっていないものの、特に大型ごみの投棄は顕著に減っているという。また、県警によると、05年以降、今年8月までに鳴門署管内で20人を廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で検挙しているが、パトロール隊からの通報が役立ったケースもあるという。
市の粗大ごみの処理手数料は10キロ当たり70円(家電はリサイクル料金が必要)で、違法な不法投棄で罰金を払うより格段に安価だ。北田明夫・市廃棄物対策副課長は「住民らと情報を共有し、今後も不法投棄を減らしたい」と話している。
出典:毎日新聞社