ホームレスに産廃丸投げ 日進の「あさくま」ゆかりの料理店
2010/09/08
ニュース
店から出た空気清浄器など産業廃棄物の処理をホームレスに丸投げしたとして、名古屋・天白署は7日、廃棄物処理法違反(委託基準違反)の疑いで、愛知県日進市で日本料理店を経営する「朝熊」と、同社の60代の女性取締役を書類送検する。捜査関係者が明らかにした。
同社は、愛知県などで展開するステーキ店チェーン「あさくま」創業者の親族らが役員を務める。
捜査関係者などによると、女性取締役は昨年12月30日、おわんやコップ、空気清浄器などの産廃約350キロの処理を、本来なら許可を持つ業者に頼まなければならないところを、60代の男性ホームレスに2万円で委託した疑いが持たれている。
産廃は仕出し調理場の閉鎖に伴って出たといい、取締役は「大量だったので許可業者には受け入れてもらえないかもしれないと思い、男性に任せた」と供述しているという。
男性は、別のホームレスの男性2人と同店からリヤカーで運び、約3キロ離れた名古屋市天白区の市天白環境事業所の入り口付近に放置。1月4日に職員が産廃を見つけ、同署に通報した。中に紛れていたメニュー表などで朝熊が特定された。
天白署は7日、ホームレス3人も、廃棄物処理法違反(受託禁止違反)の疑いで書類送検する。朝熊は犯行の半年ほど前にも、店の産廃の処理を同じ男性に委託したという。
朝熊の担当者は「ホームレス側から頼まれて軽い気持ちでやってしまった。指摘を受け後日、許可業者に頼んできちんと処分した」と話している。
登記簿によると、朝熊は1972年設立。ステーキ店の創業者も一時、役員を務めた。
出典:中日新聞