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支局長からの手紙:エコのルール /和歌山

2010/07/20

環境省

 ペットボトルのキャップをリサイクルに充て、収益金で発展途上国の子どもたちにワクチンを送る運動に、毎日新聞和歌山支局と県内各販売店、和歌山毎日広告社が参加。読者から続々と「エコキャップ」を寄せてもらっています。

 仲介をしてくれているのが、主婦たちを中心に関西で活動しているNPO法人「e-kotonet」。同様の団体が全国に多数あるなか、「いいこと」では収益のほぼ全額をワクチン代に回せるよう、工夫を凝らしています。当支局に集まったキャップは、三木苗千桂(なちか)代表が自家用車で回収してくれるので、運送費も浮きます。

 ところで、「なぜペットボトル本体とキャップを分けるのか」「何に再利用されているのか」という疑問をお持ちではないですか。恥ずかしながら、私もそのうちの1人。

 そこで、「いいこと」が企画した「見学ツアー」に今月参加してきました。バスに乗って計30人で大阪府豊中市のプラスチック加工業「フタイFT」(二井克憲社長)を訪れ、キャップの成分から芝生育成のトレイを製造する過程を見せてもらいました。

 続いて、同社に技術指導をする石油資源国内循環推進機構

 「R&G」(http://recycle‐green.p‐kit.com/)の宇川博明代表(57)から講義を受け、疑問が次々と解消しました。宇川さんによると、多くの自治体が回収するのはペットボトル本体のみで、キャップは焼却されます。

 ところが、キャップはポリプロピレンとポリエチレンでできていて、「最高の材料」。育苗箱、プランター、芝生緑化システム、分別ごみ箱など多彩な商品に生まれ変わります。

 理想としては、キャップを粉砕したものを直接、原料にできればいいのですが、液体やシール、金属などが混じって回収されているため、いったん溶かして再生ペレットに加工したうえで、原料に。この過程で二酸化炭素が発生してしまいます。「きれいなキャップばかりなら、この不要な過程も省略できて環境にも一層良くなる。

 さらに、キャップを色別に回収するシステムが整えば、家電や自動車の部品にも再生できる」と、宇川さんは夢を広げます。「R&G」では協力者に対し、再生品を値引き販売しています。

 「フタイ」社員も「今は安価な商品が中国などで作られている。でも子や孫のために、金型技術を生かしながら日本の工場を残していきたい。このリサイクル技術は、まさにその武器になる」と、強い意気込みを示します。この事業は、雇用対策にもつながるんですね。

 日本で消費されるペットボトルは年間250億本。

 本体を自治体が効率よく再利用するには、キャップやラベルをはがし「丸裸」にして出す必要がありますが、あまり守られていません。キャップやボトルはつぶして集めると、運送コストも削減。回収ルールが改善されれば、一層の環境保護につながります。

 もちろん、資源の再利用だけにとどまりません。キャップ800個による収益20円はポリオワクチン1人分で、命も救います。【和歌山支局長・嶋谷泰典】

出典:毎日新聞社

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