「保全聖地」天神崎 ごみ70キロ
2010/06/16
ニュース
■2人違法収集容疑 県警逮捕
日本のナショナルトラスト運動発祥の地、田辺市の天神崎で今年2月、木くずや古タイヤなど約70キロのごみが捨てられているのが見つかった。
住民から通報を受け、不法投棄事件として捜査していた県警は15日、田辺市内の自営業者と従業員の2人を廃棄物処理法違反(一般廃棄物の無許可収集)容疑で逮捕し、発表した。県警は、ごみを捨てたのも2人だったとみて同法違反(不法投棄など)の疑いでも調べる。
県警生活環境課によると、逮捕されたのは田辺市新庄町で便利屋を営む倉谷実容疑者(59)と同市福路町、従業員井岡光雄容疑者(63)。
逮捕容疑は今年1月9日、すさみ町長の許可を受けずに同町の女性(47)から衣類や家具など約350キロをごみとして収集した疑い。家庭から出るごみを収集する業者は、地元の首長の許可を得なければならない。
2人は容疑を認めているという。同課によると、女性は150万円で処分を委託したらしい。
今年1月に串本町高富の山林で不法投棄とみられるごみが約350キロ見つかり、2月には天神崎の海岸で約70キロが見つかった。いずれも地元の市町がすでに撤去した。県警はこれらのごみに、2人が女性から収集したものが含まれるとみている。
田辺市天神崎の海岸では、別荘地の建設計画に反対する地元の住民らが1974年から保全に向けた活動を始め、募金で予定地を買い上げるなどしてきた。
市環境課の担当者は「とても悪質だ。ごみの処理費用などを請求したい」としている。
出典:asahi.com