庭のゴミ焼き 犯罪です
2010/06/11
環境省
悪質なら摘発の場合も 増える苦情 昨年度の直方42件
街のあちこちに立ち上る白い煙。その多くは、庭などでゴミを焼いて生じたものだという。実はこの行為、廃棄物処理法で禁じられた立派な犯罪。悪質なものは立件対象にもなると知っていましたか?
人口約5万9千人、2万5千世帯余りが暮らす直方市。公害防止などを管轄する市環境整備課には昨年度、「隣の家から出る煙で洗濯物が干せない」といった野外焼却に関する苦情が42件あった。2008年度より8件減ったが、05年度の3倍近いという。
ある市関係者は「(市役所が閉庁の)土日を狙ってゴミを燃やしている市民もいる」と明かし、野外焼却で迷惑を被っている市民はもっと多いと見る。
市は、苦情を受理すると現場に職員を派遣し、煙の発生源の家を訪問する。
違法行為を確認すれば直ちに消火させ、二度としないよう口頭で指導する。ほとんどの市民は1~2回の指導でやめるが、「なんでうちだけ」などと不満をもらす人もおり、「不景気だからゴミ処理費を浮かせたかった」と訴える事業者もいる。
注意を重ねても従わない場合は「警察へ通報することもある」と担当者は言う。
今年4月には、自宅の庭で1月にビニールシート数十キロを燃やしたとして、直方署が60代男性を同法違反容疑で地検飯塚支部に書類送検したケースもあった。同署幹部は「燃やす量が多いうえに、悪臭などで周辺住民に迷惑がかかっていた。悪質性が高ければ摘発する」。
こうした事態を重く見て、同署は5月に「ゴミの投棄・焼却 ちょっと待って!」と書かれたチラシ約8千部を作成した。管内の4市町を通じて住民に回覧してもらっている。
このチラシには、自治体から指定された方法に従わずにゴミを捨てたり燃やしたりすると、5年以下の懲役か、1千万円以下の罰金が科せられると記されている。
チラシが回覧された後、直方市には「こんな罰を実際に受けた例があるのか」などという問い合わせが寄せられた。同署幹部は「野外焼却は犯罪という意識を、市民に持ってもらえたのでは」と話している。
出典:asahi.com