資源ごみ出し 山手に負担
2010/05/07
環境省
尾道市の山手に位置する西久保地区のお年寄りが月1回の資源ごみの処分に苦労している。
市指定の収集場所は数日に1回ある可燃ごみのそれと比べるとわずか4分の1。雑誌類や電池など重いごみを持って坂を上り下りするケースが多く、大きな負担になっているためだ。
尾道市の名刹(めいさつ)・西国寺。寺近くの斜面に立つ自宅で1人暮らしをする這禽(はっとり)房子さん(78)は「つえをつきながら資源ごみを運ぶのはきつい。雨が降ったらお手上げ」と自宅前の坂を見やった。
市には可燃、不燃ごみを回収するごみステーションは1400カ所ある。一方、古紙やビン類などの資源ごみを集める「資源ごみステーション」は旧市内を中心に350カ所。市は回収をある程度効率化するために場所を集約している。
這禽さんも可燃ごみなどは自宅近くに出せるが、資源ごみは自宅から約250メートル離れた場所まで運ばねばならない。途中の坂の上り下りは、地区の半数近くを占めるお年寄りにとっては一仕事だ。
這禽さんの地区では2004年、民生委員の要望で、近くの専門学校の学生がボランティアで一人暮らしの高齢者の資源ごみ回収を始めた。しかし、引き継ぎがうまくいかずに昨年末で中断。それ以降はお年寄り自らが坂を上り下りしてごみ出ししているが、最近2カ月はごみを自宅に残したままの人もいるという。
民生委員の青山清枝さん(60)は「地区には空き家も増え、近所の人に頼もうにも頼めない」と話す。這禽さんの地区の民生委員が4月23日、ボランティアの継続を専門学校に要望したが、現時点では再開は決まっていない。
市も資源ごみの回収場所を増やすことも視野に対策に乗り出す。年度内をめどに合併前の市町単位でばらつきのある収集方法も見直す考えという。
出典:中国新聞