産廃税の活用拡大 不法投棄、環境対策に補助/佐賀県
2010/03/23
環境省
佐賀県は新年度から産業廃棄物税を活用する対象事業を拡大し、地域ぐるみの不法投棄対策や処分場周辺の環境整備などにも補助を始める。
年間約1億円の税収を積み残さないように使い、税導入の効果が早期に表れるようにするのが狙い。新年度はこれまでの基金残高を含めた約2億8千万円の予算を組み、廃棄物の排出抑制や適正処理に取り組む。
新たに補助対象に加えるのは3事業。市町と地域住民が協力して実施する不法投棄物の撤去や啓発活動に全額補助(上限200万円)し、道路の補修や水質検査など廃棄物処分場周辺の環境整備にも3分の2(上限200万円)を補助する。
このほか、マニフェスト(廃棄物管理票)の電子化を進めるため、県産業廃棄物協会に助成金を出す。
産廃税は、九州7県が2005年度から一斉に導入。建設業や解体業など排出業者に対し、最終処分場で1トン当たり千円、中間処理施設(焼却)で同800円を課税している。本年度までの5年間で、徴収経費などを差し引いた約5億円を基金にした。
基金はリサイクルのための設備投資補助や不法投棄の監視員、監視カメラの設置などに活用してきたが、設備投資の低迷もあって支出は約3億円にとどまっている。産廃税は循環型社会の実現を目指した目的税であり、県は「収められた税はできるだけ積み残さずに使い、早期に効果を出すべき」として利用しやすい補助制度に改定した。
佐賀県循環型社会推進課は「関連企業や団体の要望を踏まえ、従来の補助事業も補助率を高め、申請書類を簡素化した。貴重な税であり、有効に活用してきたい」と話す。
出典:佐賀新聞