ドラム缶380本「不法投棄」
2010/03/13
ニュース
大津の私有地 液漏れ、異臭市が実態調査
大津市真野大野の私有地約600平方メートルに、大量のドラム缶が長期間放置されていることがわかった。市は不法投棄にあたるとみて、実態把握のための調査に乗り出した。
市不法投棄対策課によると、ドラム缶は2002年頃、この土地の借り主が放置。約380本が4段に積み上げられ、一部は腐食し、廃油とみられる液体が漏れ出て、気温が上がると周囲に異臭を放つという。
当時、廃棄物の処理に関する権限を持っていた県が04年に行ったサンプリング調査では、環境基準値を超える有害物質は検出されず、「生活環境への影響はない」と判断。一方で、「不適正な保管」に該当するとして、借り主と貸主に撤去するよう指導してきたが、従わないまま借り主の行方がわからなくなったという。
09年の中核市移行で権限移譲された市が、廃棄物処理対策本部で改めて検討。放置から年数が立ち、借り主の所在もつかめないことから「不法投棄」とみなし、「サンプリング調査では不十分で、緊急性も高い」として、本格的な調査を始めることを決めた。
市は、19日までに私有地を含む周辺約1万平方メートルで、井戸水利用世帯を把握し、測量場所を決定。6月にも土壌と水質の調査、廃油の分析を実施する。同時に借り主を捜し、撤去指導をする方針。
貸主は取材に対し、「ちょっと置かせてと言われて応じたが、(借り主が)行方不明になり、本当に困っている。撤去費用もないし、行政に頼るしかない」と話す。同課は「ドラム缶の中身や周辺への影響の有無がわからないままでは、住民の不安も募る。早急に調べ、分かり次第公表する」としている。
出典:読売新聞