BDF:食用廃油使って精製、ゴミ収集車に運用 岩国市環境事業課が装置導入 /山口
2010/03/05
環境省
◇中国地方の自治体で初
岩国市環境事業課は、家庭で使った天ぷら油などをディーゼル車の代替燃料(バイオディーゼル燃料、BDF)に精製する装置を導入し、ゴミ収集車などの燃料として使い始めた。中国地方の自治体では初めての試み。
国の経済危機対策臨時交付金を使って09年10月、230万円で装置を導入。試験を続けた結果、年明けからは週3回程度の製造で1カ月に約600リットルのBDFを製造できるようになったため、ゴミ収集車など3台でBDF100%の運用を始めた。
BDFの原料は、市が家庭から回収している天ぷら油など廃食用油。そのままでは粘度が高く、燃料ポンプに析出物がたまったりする。
そのため、装置で廃油にメタノールとアルカリ性の触媒を加えて一定温度でかき混ぜ化学反応させて、グリセリンを取り除くなどして、粘度を下げて燃料に変換する。1回で約50リットルの廃食用油を6~7時間かけて処理している。
ディーゼル用の軽油は現在、1リットル103円。BDF精製費は人件費を除くと1リットル約60円で、1年間で約30万円の経費削減効果を見込んでいる。
福田良彦市長も収集車に試乗。「化石燃料の軽油と違い、硫黄酸化物や窒素酸化物などの発生も軽減される。究極のリサイクルで、排気ガスも天ぷら油のにおいしかしない」とPRしていた。
市では年間約4万6000リットルの廃食用油を回収しており、BDFに変換できるのは約20%。残りは工業用塗料の原料として資源化業者に売却する。
出典:毎日新聞社