岡山市:07年不法投棄現場、代執行で環境保全 透過性反応壁を設置へ /岡山
2010/02/10
環境省
北区下足守の採土場で07年に発覚した建設廃材の不法投棄事件に関連し、岡山市は8日、投棄現場の地下水浄化のため、有害物質を処理する壁を行政代執行で設置すると発表した。9日に作業を始める。5月末を完了のめどにしている。
市によると、事件を巡っては、廃棄物処理法違反で岡山市の産廃処理会社「河童総業」の社長=服役中=ら14人が逮捕され、13人が有罪判決を受けた。
不法投棄現場では、2カ所に計3万立方メートルの産業廃棄物が埋め立てられ、うち1カ所の地下水からはヒ素などの重金属類や揮発性有機化合物が環境基準値の1・5~10倍の濃度で検出された。
市は08年3月、同社と代表者に産廃の撤去を命じたが、現在まで応じず、また立ち入りを拒否したため、代執行で環境を保全することにした。
鉄粉や銅含有鉄粉で有害物を分解・吸着する「透過性反応壁」(幅10メートル×高さ5メートル×厚さ1メートルと幅6メートル×高さ8メートル× 幅15センチ)2枚を地中2カ所に置く。費用は不法投棄関係者からの拠出金と、産廃排出業者の協力金計約2700万円で賄う。産廃による周辺への影響は低いとみられ、下流部にあるため池は、水質検査の結果、問題はないという。
市は今後、不法投棄の関係者に引き続き産廃撤去を求める方針。
出典:毎日新聞社