訴訟:下呂市の処分、違法 廃棄物処理業者に聴聞せず許可取り消し--地裁 /岐阜
2010/01/28
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一般廃棄物処理業の許可を一部取り消されたのは違法だとして、下呂市の廃棄物処理業者が同市に対し、処分の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、岐阜地裁であった。
内田計一裁判長は、市が業者に意見をあらかじめ聞く聴聞手続きを行わなかったのは、行政手続法上違法であるとして、同市の処分を取り消した。
訴えていたのは、同市森のマテリアル東海(今井哲夫社長)。同社は09年4月、下呂市から一般廃棄物の破砕や選別などのリサイクルを行う中間処理事業の許可を受けた。しかし、09年10月、草や葉、枝などについて許可を取り消された。
行政手続法では、行政庁は不利益処分をする名あて人について、聴聞など意見陳述の手続きをとらなければいけない規定がある。訴訟では、下呂市は聴聞しなかった事実を認めたが、「マテリアル東海は草の焼却など、市の許可した事業の範囲の目的外処理を行った。行政手続法の例外規定に該当し、許可の取り消しに違法性はない」と主張していた。
判決を受けて、下呂市は「処分は違法ではないと考えている。判決文を見て、今後の対応を考えたい」とするコメントを出した。一方、原告の弁護人は「行政手続きが軽視されれば、恣意(しい)的な処分がされる可能性がでてくる。それを防ぐ意味で重みがある判決だ」と話している。
出典:毎日新聞社