3セク廃止直轄も検討来月2日表明期間は言及せず
2010/01/27
環境省
横内知事は、北杜市明野町浅尾の管理型廃棄物最終処分場「県環境整備センター」について、5年半の稼働期間を延長する方針を決めた。来月2日、県議会に対して表明する。
ただ、具体的な延長期間については言及しない見通しだ。延長への地元の理解を得るために、処分場の事業主体の第3セクター「県環境整備事業団」を廃止し、県の責任が明確になる直轄事業とすることも検討する。
知事は26日の定例記者会見で、「来月2日に県議会へ新年度予算案の概要を説明する中で、(処分場問題に対する)中間的な考えを説明する」と述べた。県議会の意見を反映させた県の最終方針は、来月17日に開会予定の2月定例会の所信表明で明らかにする。
県、北杜市、県環境整備事業団は明野処分場の稼働を前に、稼働期間は5年半、焼却灰は受け入れないなどと定めた公害防止協定を交わしている。
有識者による経営審査委員会は明野処分場が現状のままなら最終赤字が約35億円に上ると試算。知事は県議会に対し、「県民負担となる赤字を最小限にするため、将来的に地元・北杜市に稼働期間の延長をお願いすることが避けられない」などと説明し、理解を求めるものとみられる。
ただ処分場の稼働期間が5年近く残っていることから、「将来の廃棄物の搬入量の変化などの予測は不可能で、具体的な延長幅は示すことはできない」(県幹部)としている。
県は、経営審査委員会が赤字改善策の一つとして求めた廃棄物の受け入れ品目の拡大も検討する。だが、「地元は安全性を最重要視しており、稼働期間の延長よりも、さらに理解を得ることが難しい」との見方が多い。
このほかにも知事は、〈1〉民間に比べて高い廃棄物の受け入れ価格の引き下げ〈2〉受け入れ可能な廃棄物の大きさの基準の緩和――など、運営改善策も県議会に示す方針だ。
県は稼働期間の延長を前提に、県議会2月定例会に提出する新年度予算案では、笛吹市境川町に計画する次期処分場計画の設計費などの計上を見送る方針だ。県議会では予算計上を見送った理由の説明が求められることから、あらかじめ知事が稼働期間の延長方針を説明することとした。県は次期処分場計画について「延期」や「規模の縮小」、「段階的な実施」などの見直し策を検討している。
一方、事業主体の県環境整備事業団については、「県の事業への責任があいまいになる」「県議会で事業団から直接説明を聞くことが難しい」などの問題点が指摘されていた。稼働期間の延長への地元の理解を得るため、県が直接責任を負う方が望ましいとする意見が強まっている。
出典:読売新聞