廃棄物のアルミで再利用発電 北陸グリーンエネルギー研が開発
2010/01/04
環境省
北陸3県の大学や自治体、企業などでつくる北陸グリーンエネルギー研究会(炭谷茂会長)は、廃棄物から抽出したアルミで発電する技術を開発した。「二酸化炭素の排出削減につながる」と期待が高まっている。
同会は北陸発の新エネルギー開発を目的に、産官学と市民が協力し今年5月に発足。内側にアルミコーティングを施したお茶の紙パックなど、毎日大量に廃棄されるアルミ系廃棄物に着目し、エネルギーとして利用する研究を進めていた。
今回の発電システムは、住民から回収した紙パックなどを金沢市の工場でパルプとアルミに分離。アルミ分は不純物を除去して高純度に加工。それを水酸化ナトリウムの薬液とともに密封した箱に詰め込むと水素が発生する。それを燃料電池に利用する仕組み。
この方法だと、9キロのアルミから、燃料電池の自動車を約100キロ走らせるだけの電気が得られるという。富山県だけで週10トンものアルミ系廃棄物が排出されており、これを利用すると燃料電池車で約4万キロも走れる計算になる。
デモンストレーションは今月22日、富山市役所▽金沢市の金沢21世紀美術館▽福井市のJR福井駅の3カ所で実施。このうち富山市では「環境モデル都市富山」のデザインマークを赤と青のLEDで縁取り、川口清司・富山大大学院教授らが点灯した。
川口教授によると約500グラムのアルミで3時間点灯できるといい「取り組みが本格化すれば、将来的に二酸化炭素の排出削減につながる」と期待している。
アルミ系廃棄物の回収拠点は現在北陸3県で約50カ所あり、今後も協力団体を募る。問い合わせは同研究所事務局(トナミ運輸内、0766・21・7484=年末年始は休み)。
出典:毎日新聞社