契約まだなのに… 業者が運搬車“見込み”発注 小城市
2009/12/29
ニュース
来春から処理場が変わる小城市の可燃ごみの運搬業務に絡み、4業者が業務委託を”先取り”して運搬車両を注文していることが分かった。
一部の市議は「委託を前約束したのか」と追及。市は「接触はしたが、約束はしていない」としながらも、事業開始まで時間がないことを理由に4業者に委託する可能性も示唆する。正式契約なきまま、事態が進行する奇妙な事態になっている。
市のごみ収集・処理は、天山地区共同塵芥(じんかい)処理場(牛津町)が老朽化したため、来年度から唐津市鎮西町の「クリーンパークさが」に持ち込むことになっている。ごみは一度処理場内の中継施設に集めて運ぶ計画で、運搬には業務委託契約を新たに結ぶ必要がある。
市は10月、一般廃棄物収集運搬許可を持つ市内6業者のうち、長期間安定して委託できると判断した4業者に運搬用の大型パッカー車が購入可能かどうかを相談。4業者は業務受託を見込み、10月下旬ごろ、1台1400万円程度といわれるパッカー車を7台程度発注したらしい。
今月の市議会一般質問で、複数の市議が「業務委託もない段階で車を注文するのは不可思議。業者に委託を約束しているのではないか」などと指摘。
市側は「約束はしていない」とする一方、「パッカー車は発注から完成まで半年かかる。キャンセルすれば来年4月からの運搬に間に合わない」と、業者が決まっているかのような内容の答弁を繰り返した。
パッカー車を注文したある業者は「対応は市に任せており、こちらから言うことはない」と歯切れが悪い。
市環境課は「予定していた大型コンテナ車では運搬できないことが分かるなど、不測の事態が重なった。ただ、4月からの体制変更に向けて、ぎりぎりのスケジュールの中で適切に判断した」と釈明。業者との具体的な交渉内容については「答えられない」とする。
市議らは「業務遂行の手順が独善的で、官製談合と疑われても仕方ない」と不信感をあらわにする。
古川敏春副市長は「関係者を含め、納得してもらえるような対応を考えたい」と話す。
出典:佐賀新聞ひびのニュース