不要入れ歯で難病支援 京都府内にリサイクルの輪
2009/12/25
環境省
使わなくなった入れ歯をリサイクルし、収益を難病患者や発展途上国の支援に充てるキャンペーンが、京都府内でも広がりを見せている。患者らが進めており、「支援や理解の一助になれば」と話す。
■使用貴金属で医療器具購入
日本難病・疾病団体協議会(JPA)とNPO法人(特定非営利活動法人)日本入れ歯リサイクル協会が共同で進める「不要入れ歯リサイクルキャンペーン」。府内では京都難病団体連絡協議会(京都難病連、上京区)が取り組む。
入れ歯には、金や銀など貴金属が使われており、入れ歯一つで、エイズ簡易検査セット40セット分、予防接種用の注射針250人分が購入できるという。
昨年7月ごろ、京都難病連のメンバーがキャンペーンについて京都市などに紹介したところ、市内の老人福祉センターなどから「回収ボックスを置いてもいい」と申し出があり、同12月に設置した。
その後も、京都難病連に加盟する患者団体の会員らがかかりつけの病院などにお願いし、ボックスを設置してもらった。現在、設置場所は府内で24カ所あり、郵送で寄せられる不要入れ歯もあるという。
府内でキャンペーンを始めてから、今年7月末までに計約3キロの入れ歯が集まった。12月末に回収する分は4キロほどになる見込みという。リサイクルで得た収益金は、45%をユニセフに寄付し、30%を京都難病連の活動資金にする。残りはJPAと同リサイクル協会に贈る。
伊藤克義・京都難病連事務局長(51)は、「入れ歯の回収だけでなく、難病のために多くの人が活動していることを広く知ってほしい」と話す。問い合わせは、京都難病連事務局TEL075(822)2691。
出典:京都新聞