産廃施設 岡山市が許可
2009/10/22
ニュース
■御津虎倉地区 住民側は反発
岡山市北区御津虎倉(み・つ・こ・ぐら)の山林に計画された産業廃棄物最終処分場をめぐり、岡山市は20日、事業者である同市中区藤原の「西日本アチューマットクリーン」(蔵本忠男社長)に施設設置許可を出した、と発表した。
地元では旧御津町時代から住民が反対運動を続けてきたが、行政のGOサインが出たことで、事業は今後、大きく動き始めることになりそうだ。(宮武努)
市産業廃棄物対策課によると、許可が下りたのは焼却灰などを埋め立てる管理型処分場(約3万7千平方メートル、容量約51万立方メートル)、焼却施設2基、破砕施設3基、油水分離施設2基、脱水施設1基。
同社は08年11月に市へ設置許可を申請していた。しかし、高谷茂男市長は市長選前の今年4月の記者会見で、同社が所有する同市南区箕島の処分場に、許可量を約2万5千立方メートル超過する産廃が持ち込まれていることなどを指摘し、「改善状況を見極める間、許可の判断を留保する」と表明していた。
同課によると、その後、同社から今後3年間かけて超過分を他施設に搬出する計画が報告されたため、「これ以上判断を引き延ばせない」と許可に踏み切ったという。
高谷市長は「地元のことを思えば断腸の思いだが、法律で定められた枠の中ではこう判断せざるを得なかった」とコメント。同社は「関係者の尽力に感謝したい。まだ反対の方もいるので、理解、信頼してもらえるような工事と施設運営をしていきたい」としている。今後、地元説明をした上で、早ければ年内にも着工する予定だという。
一方、計画に反対してきた住民団体「御津産廃阻止同盟」の中原寿会長は、「箕島処分場の超過分の搬出完了さえ見届けず、許可を出すのはおかしい。住民を無視した市長の暴挙と言わざるを得ない」と反発。行政訴訟も視野に対応を協議したい、としている。
阻止同盟によると、現地で計画が持ち上がったのは01年ごろ。反対住民らは水源汚染への懸念を訴えて署名集めなどを続け、07年には市議会が建設反対の請願を採択。市の御津オオタカ保護対策検討専門委員会も、周辺の開発抑制を望む報告書をまとめていた。
出典:asahi.com