5月開業の明野最終処分場
2009/10/05
環境省
■搬入量18分の1 県の黒字目標、不可能か
ペースは目標のわずか18分の1――。北杜市明野町に5月に開業した廃棄物最終処分場「県環境整備センター」に持ち込まれる廃棄物が、当初計画を大幅に下回る520・24トン(8月末現在)にとどまっていることが、県のまとめでわかった。
搬入用の大型トラックは、1日あたり1台程度。5年6カ月間で計23万トンの廃棄物を受け入れ、1800万円の黒字を掲げた目標の達成は、極めて厳しくなってきた。(床並浩一)
県によると、毎月の搬入実績は、5月37・41トン▽6月160・50トン▽7月203・86トン▽8月118・47トン。
当初目標は初めの1年間に3万6千トンの搬入を想定していたが、いまの水準で推移した場合、年間搬入量は2千トン程度にとどまる見通しだ。
県は搬入量の低迷の原因の一つに、「想定以上の不況」(担当者)を挙げる。だが、県外の処分場に比べ、一部品目について割高な料金設定が中間処理業者に敬遠され、センターを運営する県環境整備事業団の営業努力が「空振り」に終わっている側面もある。県は単価の引き下げなど料金体系を見直す可能性を重ねて示唆している。
事業団は6月、有識者でつくる第三者委員会を設置。収支計画の見直しに着手した。同委員会は料金体系の見直しに加え、経営合理化などを協議。11月下旬に最終報告書をまとめる方針だ。
処分場に反対する住民団体は2日、操業の即時停止と搬入されたごみの撤去を求める請願書を県議会に提出した。議会は5日、常任委員会に付託する。請願書の採択は難しい情勢だが、県の監督責任を問う声が委員から上がり、紛糾する可能性もある。
出典:asahi.com