産廃をリサイクル燃料化、プラントを新設 東亜オイル興業所 BWFファクトリー
2009/06/12
環境省
産業廃棄物の中間処理などを行う東亜オイル興業所(本社・千葉県八千代市、社長・碩孝光氏)は、これまで焼却処理していた廃塗料や廃プラスチックなどの産廃を木屑などと混錬して固形燃料を製造するプラント「BWF(Biomass Waste Fuel)ファクトリー」を新設し、リサイクル燃料製造による再資源化事業を開始した。
当面はセメント会社の燃料として無償で出荷し、セメント製造時に使用していた石炭の代替燃料として提案する。「新燃料として付加価値を付けてユーザーの利益を供与していく。環境面でもリサイクル事業を強化して、自然回帰の一翼を担いたい」(取締役・千葉工場統括責任者の中澤正章氏)。
同社は塗装や洗浄から出る廃塗料や工場から排出される廃油・汚泥などの産廃の収集運搬及び中間処理事業などを展開。従来、同社で産廃を焼却処理する際には前工程として、高カロリーの廃塗料と低カロリーの汚泥などを混錬していたが、この混錬したものをリサイクル燃料として製品化することを考案しBWFファクトリーを建設した。
製造方法は、ミキサーを用いて、木屑や繊維くずの核材料と、廃塗料・廃インキなどの粘性廃棄物とを混合、その混合物の表面に汚泥やセメントをコーティングして燃料化する。出来上がった燃料をコンベアーで搬送し磁選機を通して金属類を取り除き、振動ふるいを経てサイズを統一にして製品化。
リサイクル燃料の形状はフレーク状だが、要望があれば大きな塊など可変は可能という。熱量は5,000-6,000キロカロリーで、当面はセメント会社に無償で出荷するが、将来的には有償化や多方面への販売を目指す。
プラント建設の投資額は土地代を含めて約10億円。生産能力は1日に300トン、1カ月では最大9,000トンとなっており、初年度5割の稼働を見込んでいる。また、リサイクル燃料の原料としての廃塗料は樹脂系を選ばず対応できる。今後は新規取引先を増やすなど産廃量を増やしていく意向。
出典:Coating Media