不法投棄の動機は経費削減か
2009/06/11
ニュース
新発田市の紫雲ゴルフ倶楽部敷地内の不法投棄事件で、同ゴルフ場の運営会社「紫雲ゴルフ倶楽部」の決算が直近の 2007年、08年に2期連続赤字だったことが同社が関東財務局に提出した有価証券報告書から9日、分かった。県警もこの事実を把握しており、厳しい経営状況を背景に経費削減のため、会社ぐるみで不法投棄を行ったとみて調べを進めている。
有価証券報告書によると、同社は07年12月期に2695万円の最終損失を計上。日本女子オープン選手権が開催された08年12月期には損失が5912万円に上った。04年からの5期で黒字だった期は06年だけだった。
同社は09年3月末提出の同報告書で「個人プレーヤーの高齢化による来場機会の減少やプレー料金の低価格化が続いていることから、経営環境はますます厳しさを増している」と説明。経営課題として、コスト削減による財務体質の改善を挙げていた。
捜査関係者によると、不法投棄されていた産業廃棄物は10トン以上で、多くは同選手権に向けたゴルフ場内施設の改修工事に伴うものとみられる。県警がこの廃棄物の処理費用を専門業者に見積もってもらったところ、約1800万円に上ったという。
同事件では、9日までに逮捕された5人のうち同社の総務担当の副支配人・高橋寛容疑者(51)ら3人が、一部が不法投棄された08年4月時点で同社関係者だ。
同社が同選手権開催の関連工事で出た廃棄物を正規に処理すると、08年決算の赤字幅が拡大し、経営環境が厳しくなる恐れがあり、県警はこのことが会社ぐるみで不法投棄を行った動機とみている。
同社幹部は9日、新潟日報社の取材に対し「何も答えられない」と話した。
出典:新潟日報