携帯電話リサイクルで3省連携 来月から啓発や回収実験
2009/05/25
ニュース
環境、経済産業、総務の3省は22日、使用済み携帯電話の回収促進事業で連携すると発表した。携帯電話事業者などと共同で作成したポスター、パンフレットを携帯販売店や自治体に掲示・配布して回収への協力を呼びかける。また、携帯各社の直営販売店などに限定された端末回収拠点を拡大するため、実証実験を行う。斉藤鉄夫環境相はこの日の定例会見で「現在約15%の回収率を大きく引き上げたい」と強調。2000年度の1361万台をピークに減少し、644万台(07年度)まで落ち込んだ回収台数の引き上げを狙う。
携帯端末は、ハイテク産業を支えるレアメタル(希少金属)や貴金属を豊富に含む「都市鉱山」と呼ばれ、リサイクル促進の重要性が増している。その周知のために、3省は来月3日から約1カ月にわたり「使用済み携帯電話回収促進キャンペーン」を展開する。1万4000枚のポスターなどを利用して、多彩な啓発活動を展開する計画だ。
実証実験では、神奈川県や東京都下のショッピングセンターなどを新たな回収拠点として利用する。例えば、買い物客に特典と交換できる「ポイント」を与えて、端末回収に協力するインセンティブ効果について調べる予定。さらに、自治体の回収機能を生かす実験も、横浜市と京都市を舞台に進める予定だ。
端末回収は、携帯各社や家電量販店などで構成するリサイクル団体が中心となって強化しているが、回収台数は減少傾向にある。その一因が携帯の多機能化だ。買い替え、解約時も古い端末を破棄せず、カメラなど通話以外の機能を使う利用者が増加した。個人情報の流出を懸念して利用者が端末を手放さないことも要因とされる。
出典:フジサンケイ ビジネスアイ