廃プラすべて再処理/政府検討 事業者に義務づけ
2009/05/01
ニュース
政府は、すべての廃プラスチック製品を再処理する仕組みをつくる。現在は別々に回収しているコンビ二弁当などの容器包装とほかのプラスチック製品をまとめて回収し、新たにプラスチック製品にしたり、燃料にしたりすることを事業者に義務づけることを検討する。資源の効率利用と温暖化ガスの削減につなげるのが狙いだ。
廃プラスチック製品のうち7割を占める容器包装は全国の半数以上の市町村が分別して回収、容器や食品メーカー、小売業者の費用負担で再処理している。ただ残りの市町村は回収費用がかかるなどの理由で再処理していないほか、それ以外のプラスチック製品は焼却されているのが現状だ。
環境・経済産業両省は、再処理を進めるため、容器包装リサイクル法の改正を検討。現在は再処理の対象を容器包装だけにしているが、その他プラスチック製品との混合回収でも再処理を義務づける方向だ。一括回収になれば市町村や住民の分別の面倒が省ける。再処理費用は事業所や市町村、メーカーなどと今後協議して決める。
6月をメドに名古屋市の三千世帯を対象に二ヶ月間かけ実験し、回収方法や再処理過程での問題点を検討する。結果を踏まえ、今夏に両省の合同審議会を開いて議論を始め、早ければ同法改正案を来年の通常国会に提出する方針だ。
政府は廃プラスチック製品を再処理する割合(資源化率)を現在の約3割から20年に9割にする目標を設定。経済産業省の試算では、再処理が全て実現すれば、国内の温暖化ガス排出量を1.4%減らせるという。
政府はこうした廃プラスチック製品の活用を、近く公表する「新資源循環プロジェクト」に盛り込む。
出典:日本経済新聞