アルミスクラップ 中国市場でクレーム増加 素人業者参入で品質が低下
2009/04/21
ニュース
旺盛な需要に沸く中国マーケットからのアルミスクラップに対する引き合いが活発化しているが、この一方でかつてのあった状態と同じような、素人バイヤーによる規格も何も無い滅茶苦茶とも言える買い漁りも見受けられるところとなっており、これが輸入先での異物混入といった品質低下問題として表面化しているようだ。
今年の旧正月明け以降、国内アルミ専業問屋筋は、国内需要家の買い止め措置の下で新たなマーケット開拓を目的に中国向けのトライアル輸出に取り組んできたが、内需喚起を積極的に進める中国政府の誘導もあって、輸出成約も増加していた。アルミスクラップの輸出では、財務省が発表した2月の通関統計でも、通常の2倍以上となる14000トンを突破するなど、史上最高量を記録。この背景には、専業問屋筋によって規格通りに選別された高品質で均一なアルミスクラップに対する認知が最終需要家を中心とした中国マーケットに口コミで広がったことなどが挙げられている。
しかしこの流れとは別に、最近問題となっているのが、均一な品質の原料規格を無視してバラ積み向けに買値を提示する素人バイヤーの存在が問題視されることとなっている。既に現地ではアルミスクラップとして輸入されたものが2次合金メーカーに搬送された後、クレーム問題にまで発展するケースが頻発していると言われており、本来良質なジャパンスクラップを輸出する専業者の中には、こうした状況を野放しにすれば、国際的な評価が低下すると、事態を懸念する向きが多くなってきている。
出典:日刊資源新報