コンポスト引き取り訴訟:小山広域組合が控訴 「到底納得しがたい」 /栃木
2009/03/09
ニュース
◇5億1600万円支払い
小山広域保健衛生組合(管理者・大久保寿夫小山市長)のごみ焼却灰処理委託を巡る損害賠償請求訴訟で、仙台地裁が、処理したコンポスト(発酵土壌)の全量引き取りや、損害賠償約5億1600万円の支払いなどを命じた判決について、同組合は6日、「到底納得しがたい」(大久保管理者)として、仙台高裁に控訴した。
同訴訟は、広域組合が処理を委託した宮城県村田町の廃棄物処理会社「県南衛生工業」が、焼却灰に重金属が混入していたことや、処理したコンポストの引き取り義務を果たさないのは契約不履行として提訴。仙台地裁は2月24日、広域組合にコンポストの全量(約6万5000立方メートル)引き取りと、損害賠償約5億1635万円の支払いなどを命じた。
6日開かれた組合議会で、大久保管理者は「判決の内容は到底納得しがたく、組合の主張が理解されていない。精査、検討して控訴することにした」と説明。控訴を可決した。
控訴決定後、大久保管理者と訴訟代理人の岩瀬勇弁護士が記者会見。岩瀬弁護士は「先に結論ありきの不当判決を、高裁で見直してもらう必要がある」と説明した。
コンポスト引き取り義務について、同弁護士は「宮城県が廃棄物と認定しているのに、判決は有価物か否かにかかわらず引き取り義務を認定した」と批判。損害賠償は「法的に引き取り義務はないのだから、応じられない」と説明した。
和解案段階で同組合が受け入れたコンポストの全量撤去について、岩瀬弁護士は「法的見解とは別に、組合が公的見地から放置しえないと考えた政策的な判断」と説明。控訴審でも、法的に引き取り義務がないとして争う。大久保管理者は「高裁審理をふまえて、適切に対応したい」と話した。
一方、県南衛生工業の訴訟代理人は「控訴しない方針だったが、被告の控訴により控訴手続きを始める」との方針を示した。
出展:毎日新聞