県の裁決、環境省取り消し
2009/02/04
ニュース
いわき市内郷綴町などで同市の「山一商事」が建設を計画している産業廃棄物処理施設を巡り、環境省は同社の再審査請求に対し、市の設置不許可処分を認めた県の裁決を取り消す裁決をし、3日、市や県に通知した。県はこれを受け、同社の審査請求に対する裁決をやり直すことになった。
この問題では、県は2007年5月、いわき市の不許可処分理由のうち、「工事中の騒音で、周辺の小学校で学習環境が悪化」「処分場からの放流水の下水道への接続許可について、市の許可の見込みがない」の2項目を妥当として、市の処分取り消しを求めた同社の審査請求を棄却した。
これに対し、環境省は今回、いずれも「不許可処分の理由にはならない」と判断した。ただ、付言として「計画通り排水設備が(市管理の)下水道への接続ができなければ、施設の使用はできない」とした。
裁決について、市はこの日記者会見し、「(市の)下水道事業認可区外から排出水を流入させることになり、接続を認めることはできない」と、従来の姿勢を強調。櫛田一男市長は「市民の安心安全を第一とする姿勢を堅持していく」と述べた。
一方、山一商事側は「正当な判断と評価している。不許可処分から相当の時間を経過しており、県と市が1日も早く設置許可申請を許可するよう求める」としている。
同施設を巡っては、同社が市に不許可処分取り消しを求めた訴訟が福島地裁で続いている。