松江・ホテル硫化水素事故:前社長「責任は私に」 初公判で産廃投棄認める
2009/01/22
ニュース
松江市のホテル「東横イン松江駅前」で高濃度の硫化水素が流出した事件で、廃棄物処理法違反罪に問われた東横イン前社長、西田憲正被告(62)の初公判が20日、松江地裁(吉井隆平裁判長)であった。西田被告は起訴状の内容を認め、「責任は私にある。申し訳ありません」と陳謝した。
事件では不法投棄により、昨年5月28日、地下配管室から建築廃材を発生源とした致死量に相当する2000ppmの硫化水素が発生。住民ら8人が気分が悪くなり、病院で治療を受けた。
検察側は冒頭陳述で、ホテルの内装工事を行ったグループ会社「東横システム電建」の会長だった西田被告が産業廃棄物処理の費用削減のため、04年10月の取締役会で「現場で穴を掘って産廃を捨て、最後にアスファルトで埋めるというのを試してはどうか」と提案したと主張した。
西田被告は「弁解の余地もない。二度と起こしません」などと、用意した文書を読み上げた。検察側が制止しようとしたが裁判長が許可し、「東横イングループは私が一代でつくりあげた。責任は最高経営責任者である私にある」と述べた。
3月3日の次回公判で結審し、判決言い渡しは同10日の予定。
出典:毎日新聞