住民訴訟:「西吉野開発」の産廃施設、不許可求め住民提訴 /奈良
2009/01/22
ニュース
◇会社側「法的要件満たしている」
産業廃棄物処理会社「西吉野開発」(五條市西吉野町)が県に申請している産業廃棄物処理施設(同市西吉野町奥谷)の設置許可申請に関して、県に許可を出さないよう求める住民訴訟を、施設設置予定の区域に住む住民ら15人が19日、奈良地裁に起こした。奈良弁護士会館で記者会見を開いた原告側の男性(60)は「県は適正な判断をしてほしい」と訴えた。
訴状によると、西吉野開発は、同市西吉野町奥谷の廃棄物処分場に廃棄物を許可範囲を超えて山積みしたとして98年、奈良地裁五條支部から違反部分の撤去命令を受けた。その後、同社が控訴したが00年、大阪高裁で同社が撤去することで和解した。しかし、その後も撤去は進まず、同社は昨年7月、新しく産業廃棄物処理施設(約3375平方メートル)を設置する許可を荒井正吾県知事に申請したという。
原告側の峯田勝次弁護士は「西吉野開発は今ある廃棄物も撤去していない。新しい処分場を設置しても、きちんと維持管理できるとは思えない」と主張。「土地の一部は住民が所有権を持っている」としている。
西吉野開発は「撤去に関しては、県に計画書を提出したが返ってこないためできないのが現状。新しい処分場は法的要件を満たしている」とコメント。県廃棄物対策課は「今後の対応は訴状を見てから決めたい」としている。
出典:毎日新聞