宇宙から産廃不法投棄を監視…環境省が全国展開へ
2009/01/09
ニュース
産業廃棄物の不法投棄を減らすため、環境省は、観測衛星を使った宇宙からの監視を始める。
試用した岩手県が、違反業者の摘発につなげたのを受け、全国展開を図ることにした。2009年度は、希望する都道府県とともに運用する方針だ。
06年に打ち上げられた世界最大級の地球観測衛星「だいち」(宇宙航空研究開発機構所有)の画像データを活用する。だいちは2・5メートルの大きさまで判別できる解像度があり、利用料金は、詳細画像の撮影が1回20万円で、米国の商用衛星の10分の1~8分の1と安い。
岩手県は、岩手大が開発したカラー画像合成システムを用い、08年1月から監視目的の試験運用を続けている。画像で土地の変化や廃棄物の堆積(たいせき)状況などをつかみ、陸上からは難しい山間部の要注意地点などの監視に効果を発揮。これまでに業者が無許可で処理場を拡充したケースなどを発見し、行政指導した。
環境省によると、07年度に新たに見つかった不法投棄は382件で、総量は10万2000トン(10トン以上の産廃が対象)。約1634万トンが、処理が終わらぬまま残されている。
出典:読売新聞