リサイクル素材、在庫が増加 再入札や緊急備蓄相次ぐ
2008/12/26
環境省
鉄スクラップや古紙といったリサイクル素材の業界団体などが、輸出急減と国内メーカー減産を受けて相次いで余剰対策を打ち出している。行き場を無くしたリサイクル素材が国内で廃棄物になる可能性があるため、再入札や緊急備蓄で回避しようと懸命だ。
関西の鉄スクラップ業者でつくる関西鉄源連合会(大阪市)は22日、今月2回目の輸出入札を実施した。入札は通常2―3カ月に1回だが、国内電炉の大幅減産で処理業者の在庫が増えることに対応した。1万トンが前回とほぼ同額の1トン1万9550―1万9700円で落札した。
財団法人古紙再生促進センター(東京・中央)は同日、27年ぶりに古紙の緊急備蓄を始めた。年末は大掃除で古紙の発生が増えるため。関東地区で段ボール古紙7700トン、新聞古紙2300トンを買い入れ、センターが指定する製紙工場の倉庫などに2009年3月末まで保管する。
日本容器包装リサイクル協会(東京・港)は同年1月に08年度回収分の廃棄ペットボトルを追加入札する。自治体が回収する廃棄ボトルの入札は通常前年度末に実施する。今秋以降の中国向け輸出の減少を受け、追加入札が必要と判断した。
地方自治体では処理業者向けの空き缶入札をやり直す例が出てきた。熊本市では11月の入札が不成立となり、12月上旬に予定価格を引き下げて再入札した。「スチール缶の応札価格は4月に実施した落札価格の10分の1に当たる1トン4000円前後まで下がっている」(廃棄物計画課)という。札幌市も10月に2回、入札した。
出典:日経速報ニュース