旧能代産廃元社長を書類送検
2008/12/15
ニュース
産廃処理法違反の疑い
能代市の旧能代産業廃棄物処理センター(1998年に破産)の敷地内に有害物質が入った大量のドラム缶が不法投棄された問題で、県警は11日、同センターの元社長で会社役員福田雅男容疑者(67)(東京都港区)を産業廃棄物処理法違反(措置命令違反)の疑いで秋田地検に書類送検した。県警は厳重な刑事処分を求める意見を付けた。
県は昨年3月、ドラム缶を撤去し、有害物質が周囲に広がらないようにする遮水壁の設置などを行うよう措置命令を出したが、福田容疑者は措置命令に従わなかった疑い。調べに対し、福田容疑者は「なぜドラム缶が埋まっているかわからない。撤去費用がなかった。資金ができれば撤去するつもりだった」と供述しているという。
県は、2005年から遮水壁の設置工事などを行い、昨年7月から行政代執行でドラム缶約2000本を撤去。現在も汚水処理などを進めている。県環境整備課によると、これまでにかかった費用の総額は約44億円。このうちドラム缶撤去の代執行にかかった経費約1億2700万円を福田容疑者は県に支払っていない。
住民で作る「能代の産廃を考える会」の原田悦子事務局長は「福田元社長には多額の税金が投入されている事実を重く受け止めてほしい。今回の書類送検は、大量のドラム缶が不法投棄された経緯を解明する上で、一つのステップになるのではないか」と話した。
出典:読売新聞