「きわめて困難」 RD産廃問題 有害物全量撤去案と粘土層修復案
2008/09/05
ニュース
栗東市のRDエンジニアリング産廃処分場の対策工法で、滋賀県は4日までに、住民から要望の出ている有害物全量撤去案と粘土層修復案について、それぞれ技術的な課題などを挙げて「きわめて困難」などとする検討結果をまとめ、住民への説明を始めた。
県は現地浄化案を基本とした対策工法を採用する方針を示し、全量撤去案と粘土層修復案は難しいとの見方を示していた。しかし、両案への住民要望が根強いため、住民説明向けにあらためて両案の問題点を明確にした。
検討結果によると、全量撤去案は、掘削個所を覆うテントが高さ25メートル超にもなり、テントの設置・移動に日時と費用がかさむうえ、有毒ガスや粉じんに対する密閉性に欠けると指摘。有害物の分別も目視では難しいことなどから「廃棄物全量を有害物と判断することになる」として、コスト高となることを結論づけた。
粘土層修復案についても、地下20メートルに施工するには廃棄物を全量取り除く必要があるほか、修復個所の特定も確実性に欠けるため、県の案以上の効果や合理性は見込めないとしている。
県の検討結果に対して、県対策委員会で全量撤去案を提案した早川洋行元委員は「技術的な課題は設計段階で修正できる」と反発、同じく粘土層修復案を主張した当座洋子元委員は「10年前に業者に改善命令を出した時に施工実績がある」と反論している。
出典:京都新聞