栗東の産廃処分場跡地問題:有害物質の全量撤去、住民が改めて要望 /滋賀
2008/05/13
ニュース
栗東市のRDエンジニアリング社の産廃処分場跡地の有害物質問題で、県と住民との意見交換会が11日、同市安養寺8の市立中央公民館で開かれた。嘉田由紀子知事が7日に「全量撤去は困難」という見解を示したこともあり、住民側からは改めて全量撤去を求める声が上がったほか、廃棄物の流出を防ぐ遮水壁の効果を疑問視する意見などが出た。
同問題では、有識者らでつくる対策委員会が先月9日、委員18人中8人が支持した遮水壁を設置した上での全量撤去を推奨する報告書を嘉田知事に提出。廃棄物の搬出などで約242億8000万円の費用がかかると試算した。報告書には、有害物の一部撤去以外は現地で浄化処理する別の案も併記された。
住民ら約100人が出席。住民らは嘉田知事に対し、全量撤去案に基づいた改善工事実施計画の早急な策定などを求める要望書を提出した。また、遮水壁の設置で廃棄物の撤去がうやむやになるのを危ぶむ声や、粘土層の修復で有害物が地下水へ流れるのを防ぎ、目視での有害物の撤去を求める意見も出た。
嘉田知事は閉会後、報道陣に対し「全量撤去が必要なら採用すべきだし、部分的な撤去で住民の安全が確保できるのなら採用すべきだ。皆さんの意見を反映する形での対策案を早急に作る」と述べ、方向性は明言しなかった。