陶器瓦:廃瓦をリサイクル 県産業技術研など開発 /愛知
2008/04/15
ニュース
◇廃瓦を粉末状に加工、原料の粘土に混ぜる手法
廃棄された陶器瓦を新たな瓦の原料として再利用する技術を、県産業技術研究所が愛知工業大などと共同開発した。廃瓦を粉末状にして瓦用の粘土に混ぜ込む手法で、従来品に比べて強度も約30%増すという。今後、県特産の「三州瓦」業者らに製品化への協力を呼びかけ、「リサイクル瓦」の普及を目指す。
家屋の解体時に廃棄される瓦は、これまで道路の埋め戻し材などへの再利用が試みられてきた。しかしコスト高などが障害となり、有効な活用策が見つからないまま、廃棄物として埋め立て処理されてきたという。
研究所などは06年度から共同研究を行い、廃瓦を粉末状に細かく砕き、瓦用の粘土に50%混入させる技術を開発。粉末を混ぜない従来品に比べて強度が増したほか、外観もこれまでと変わらない品質に仕上がった。従来品よりも薄い瓦で同等の強度が得られることになり、製造コストの低減などが期待されるという。
「三州瓦」は高浜市や碧南市などの三河地方を中心に生産され、全国の陶器瓦生産量の約60%を占める。研究所ではリサイクル瓦の普及が進めば、廃棄物の削減につながり、環境負荷の低減にも役立つとしている。