環境行政を地方に移譲 廃棄物対策を一元化 分権委が来月勧告
2008/04/07
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政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は五月に行う一次勧告に、国から地方への環境分野での権限移譲を盛り込む方針を固めた。北海道地方環境事務所など環境省の出先機関と都道府県の二重行政になっている廃棄物やリサイクル対策、環境教育を都道府県に一元化することが柱だ。
地球温暖化対策などグローバルな視点での国の環境行政の重要性が高まる一方、住民に身近な分野は自治体に任せて役割分担を明確にすべきだと判断した。ただ、環境省は分権委の意見聴取に対して権限移譲は全分野で困難だと主張しており、調整は難航しそうだ。
移譲を勧告する権限のうち廃棄物対策やリサイクルシステムは国が基本方針を示し、自治体が地域の実情に応じて対応する方式にする。温室効果ガスの排出量削減も、国と連携し自治体が実施する体制にする。
大気や水質汚染などの公害防止事務でも国の関与縮小を求める。現行では、国の基本計画に基づいて都道府県知事が定める大気汚染の総量削減計画は国の同意が必要だが、国との協議だけにとどめ、都道府県の事務負担を軽減する。
地方環境事務所の事務のうち、一つの都道府県内で完結する国立公園の管理は都道府県に権限を移譲するよう求める。知床など道内の六公園は道が管理することで地元市町村との連携が可能になる。