佐野の産廃不法投棄:遺跡の井戸損傷 市、元被告に修復費請求も /栃木
2008/04/04
ニュース
佐野市栃本町の水道設備業者「ケイノ」の慶野軍司元被告ら=2月に有罪判決=が産業廃棄物を同市の「栃本山ふれあい公園」の設備工事現場に不法投棄した事件で、佐野市は2日、投棄現場にある戦国時代の城郭遺跡が損傷していたことが確認できたと発表した。市生涯学習部は、元被告らに対して遺跡の修復費用や産廃の撤去費用の請求を検討するという。
損壊が確認されたのは唐沢山城跡の一部分となる「大沢口遺跡」の井戸の可能性が高い石積み部分。同部などによると、産廃の掘削を県の指導を受けながら3月17日に行った際、現場の北側にある円筒形の石積み部分が一部損傷していたという。損傷は「重機などの影響によるものではないか」と説明する。
掘削は、焼却灰が出なくなる深さ約2メートルほどまで行った。現場の土壌はケイノ側が業者に分析を依頼しており、安全性が確認できれば産廃は撤去する。
慶野元被告は金属やプラスチック片など約7・8立方メートルを、2トントラックで同公園に不法投棄したことを認めている。元被告は当時、現場に市営住宅工事の発生土を盛る業務を請け負っており、廃棄物を投棄後、上から土を盛ったとみられる。
市教委などによると、投棄された現場は公園の駐車場予定地だったが、遺跡調査の結果井戸の跡や石列を発見。その後は、ブルーシートで覆い埋め戻し保存していた。しかし昨年1月に慶野元被告が廃棄物を不法投棄したため、下にある遺跡の損壊が懸念されていた。