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【東京都】構想の白紙化か 太陽光発電義務化

2022/06/22

ニュース

東京都の小池百合子知事が構想を練っていた、新築住宅への太陽光発電の設置義務化。
費用負担やリサイクルへの問題点が解消されないまま条例改定を進めている。
東京都では温室効果ガスの排出量を2030年までに2000年比で半減させることを目標に掲げている。CO2の約3割が家庭から排出されるとして、削減に向けて都環境審議会に意見を求めていた。

東京都がまとめた中間案では、延べ床面積2000㎡未満の住宅が対象。
また、年間の供給実績の延べ床面積が2万㎡以上の住宅メーカーも対象になる。
東京都内の約50社が対象になり、年4.5万件着工のうち半数が対象だ。

太陽光パネルの設置費用は約100万円。
住宅価格に上乗せで、購入者の負担が増える。
また、太陽光パネルの耐用年数は20~30年とされている。
使用済み太陽光パネルが大量に放棄・放置される可能性があり、リサイクルの体制は整っていないのが現実だ。

新潟県新発田市では、太陽光パネルが台風や地震などの災害時に破損、もしくは感電することがあるのでは、と注意喚起をしている。その他にも多くの自治体が同じような呼びかけや意見を出している。
また、電力供給が過剰になりバランスが崩れてしまうと、大停電の可能性も高まる。
各家庭への出力制限にも限界があるのだ。

過去に、住宅への太陽光パネル設置義務化を国土交通省が検討したが見送った経緯がある。
「地域や立地などで発電効率に格差があり、一律の義務化は無理がある」というのが理由だった。
加えて、太陽光発電用の多結晶シリコンの80%は中国製だ。
そして、半分以上が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で生産しており、人権問題についても説明が求められている。国産パネルの使用は価格が高くなるため、使用の課題も残る。
東京都は10年後に元がとれると発表しているが、破損や故障などのメンテナンスの負担などは不透明なままだ。

都議会で小池氏は「個人が設置の有無を選択できる柔軟な仕組みの検討を進める」と発言。
制度化に成功すれば全国初。東京都は年度内の成立を目標としている。 
まずは、義務化条例の構想自体をゼロベースで考える必要性があるのではないか。

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