20年度アルミ缶リサイクル率 前年比3.9ポイント低下の94%
2021/06/24
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アルミ缶リサイクル協会(理事長・花房達也・ユニバーサル製缶社長)は、2020年度のアルミ缶リサイクル率は前年度比3・9ポイント減少の94・0%となったと発表。目標数値の92%以上を維持したものの、再生地金の需要減や使用済みアルミ缶(UBC)相場の高騰で回収したUBCの一定量が市中在庫となったことが影響し、過去最高だった前年度からは低下する結果となったという。
リサイクル率は国内で回収されたUBC(輸出向け含む)の再利用率を示しており、(1)国内再利用量(148億1千万缶)、(2)韓国などに輸出されたUBC重量に組成率(87・5%)を積算した数量(56億2千万缶)の合算値とアルミ缶消費量を基に算出。
20年度は消費量が33万1178トン(前年比760トン増)と微増だった一方で、国内再生利用重量が22万5553トン(1万1192トン減)、UBC輸出重量も8万5590トン(組成率考慮後、1265トン減)とともに減少したため、リサイクル率が大きく低下。
アルミ缶リサイクル協会によると、背景には20年はコロナ禍ながらも集団回収活動は継続できた一方、「回収業者や再生事業者が昨年度の輸出急増により落ち込んだ在庫の補填などを理由にUBCの在庫が増えたと推察している」とのこと。
なお、国内で再生されたUBCのうち、アルミ缶材に再生した比率を表す「CAN TO CAN率」は4・1ポイント上昇の71・0%。また、消費されたアルミ缶が缶材に再利用された割合も、0・5ポイント上昇の48・4%。いずれも上昇となったのは、算出式の分母である国内再生利用数が大きく減少したことが要因とされる。