最終処分場汚染問題の「レッグ」破産手続きへ 松山市が開始申し立て
2021/03/10
ニュース
愛媛県松山市は、同市菅沢町の産業廃棄物処理会社「株式会社レッグ」について、松山地裁に破産手続き開始の申し立てをしたと発表(3/8付)。
2011年5月に産廃最終処分場の地下水路から汚水の流出が確認され、市が対策工事を行うなど、行政代執行を実施していた。行政代執行の費用は20年末時点で約69億円にのぼる一方、求償により回収した額は約10万円ほどという。市は回収可能な財産がないと確認されれば、市の債権を整理する方針を表明している。
株式会社レッグは2011年に最終処分場の水質汚染を指摘され、松山市が廃棄物処理法の措置命令違反ということで同社を告発していた。
2014年には、愛媛県松山市の愛媛県美術館で「第2回愛媛のごみ問題を考える意見交換会」が行われている。2013年8月の第1回に続くもので、汚染水漏れ問題を起こした松山市の「レッグ」産廃最終処分場をはじめ、愛媛県各地のごみ処分場計画などの最近の状況について、報告と議論が実施されていた。
「レッグ最終処分場では、処分できる容量は21万2846立米(立法メートル)だった。2005年に軽微変更許可が下りて、1割ほど増加している。ところが、最終的には25万492立米となっており、2万ほど超過していた」──。松山市の谷口博徳氏は、処分場の容量オーバーを指摘した。
三瓶(みかめ)町の松木泰氏は、三瓶町産廃処理場新設に対し、「申請書の不備とねつ造疑惑。環境アセスメントのずさんな内容と調査方法。汚染燃焼ガスの垂れ流し。また、重金属の流出も懸念されることから、松山地裁に訴えた」と語った。
1986年、レッグには愛媛県から認可が、2013年、松山市が認可取り消しをした後、1998年、愛媛県から松山市に認可権は譲渡されていた。
この産廃最終処分場では、処分できる容量は21万2846立米だったが、2005年に軽微変更許可が下りて、1割ほど増加している。ところが、最終的には25万492立米となっており、2万ほど超過していた」と容量オーバーを指摘されていた。
その後、地下にたまったガス抜きなど、6回ほど行政指導をしたが、改善されず、2010年、市の検査で水銀を検出したにもかかわらず、自然由来の水銀と判定された。さらに、2013年、地下水路からヒ素、水銀も検出していた。
同市は、事故後の対策として「鉛直遮水案(事業費76億円)と廃棄物全量撤去(269億円)が検討され、鉛直遮水案で決定していた。