復興事業で裏金1億円 兵庫の廃棄物処理機械設置業者を刑事告発
2020/10/08
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東日本大震災の復興事業で業績を伸ばした廃棄物処理機械設置業者が、約2億8800万円の所得を隠して脱税したとして大阪国税局から刑事告発され、ほかに約1億円の裏金も作っていたことが判明。約1億円の裏金は、復興事業の受注の便宜を計ってもらうため、不正に工事関係者ら約5人に渡されていた。
法人税法違反容疑で告発されたのは、兵庫県西宮市の「コウキ」と杉田光男元社長(54)。
同社と元社長は2014年と16年、下請けとして関わった岩手県や宮城県の震災復興事業で架空の外注費を計上するなどして所得を圧縮して約7900万円を脱税した疑い。また、隠した所得約2億8800万円は、元社長が家族の旅行費など個人的な遊興費や知人への資金援助に使用したという。
同社はこのほかにも同様の手口で1億円以上を作り、工事を受注するために復興工事関係者ら約5人に賄賂として提供。この1億円以上の収支は会計帳簿に記載されていないものの、会社のために使った経費とされて脱税の対象から外れていた。脱税対象を含めると、約4億円の裏金を工作したこが明らかになった。
コウキは、復興増税などを主な原資とする国費による「宮城県石巻市、気仙沼市、岩手県宮古市で津波のがれき処理工事」や、「福島県富岡町の廃棄物処理施設工事」などで、ゼネコン各社のJVの下請けで廃棄物の破砕・選別処理をするプラント設置を受注していた。
コウキの2011年までの売上高は10億円前後で推移していたが、18年12月期の売上高は約31億円と急激な伸びをみせていた。
同社は取材に、代理人弁護士を通じて「現時点ではお話しできない。」としてコメントしている。