AMJが台湾のレアメタル企業に出資 香港情勢の影響も
2020/10/01
ニュース
レアメタル(希少金属)の専門商社、アドバンストマテリアルジャパン株式会社(AMJ、東京・千代田)が台湾のレアメタルリサイクル企業への出資を決定したと表明。
AMJは、レアメタルリサイクル企業であるLianyou Metals社への出資を通じ、都市鉱山としての機能も強化し、中国に続くタングステン、コバルト原料の安定確保を目指すとしており、今後、アジア市場を念頭にリサイクル体制を強化する方針。
Lianyou Metals 社は欧米超硬工具メーカーからのタングステンスクラップのリサイクル加工をターゲットに 2018 年 5 月に設立されました。高雄港から 50 ㎞の位置にあり、海外からのスクラップの受け入れ、加工後製品の輸出への高い利便性も持ち得ている。
ニッケル、チタンなどの添加金属も含んだ各種タングステンスクラップの処理も可能で、タングステン以外にタングステンスクラップに含まれるコバルトの回収も行っており、超硬工具原料としてのコバルト源の活用以外に今後伸長が期待される電池産業への展開も視野に入れている。年間生産能力はタングステン酸ナトリウム(ST:SodiumTungstate)5,000t、炭酸コバルト(Cobalt Carbonate)600t と西側におけるタングステン、コバルトリサイクルの新たな拠点としての有効性が高いという。
出資が決まった遠因には香港情勢の混乱もあり、レアメタル業界で脱・中国の流れが加速している。
従来、超硬工具等からなるタングステンスクラップのリサイクル先としては中国が主流だったが、近年の中国のスクラップ輸入禁止の動き、また米中間の政治・経済面での摩擦などにより、中国に代わるタングステンスクラップのリサイクル加工先の開発が急務とされていた。