御前崎 中断の産廃処理施設計画について質疑応答
2020/03/10
ニュース
御前崎市池新田地区での民間産業廃棄物処理施設の建設計画を巡り、四日の市議会二月定例会の一般質問が、市議から柳沢重夫市長に意向を問う質問が多くなされた。昨年、建設反対が多数を上回った住民投票結果をもとに、柳沢市長は「住民の合意形成がなされない限り、施設はできない」と改めて意思決定に変わりないと述べた。建設予定地の賃貸借契約解除には踏み込まなかった。
四月の市長・市議選を控えた最後の一般質問で、5人のうち4人が産廃問題について発言。住民投票で建設反対票が九割以上という結果を踏まえて、柳沢市長は事業を計画する大栄環境(神戸市)に計画断念を要請。同社は計画を一旦中断し、住民理解を得た上で、再開を目指している。
土地を管理する池新田財産区は同社に建設予定地を貸している。市長は財産区管理者として土地の賃貸借契約に押印済みで、このことで市民の批判を受けている。重要事項の決定は財産区管理会の同意が必要な上、訴訟に発展する懸念もあり、柳沢市長は契約解除についてこれまで沈黙を貫いている。
斎藤洋市議は、特別地方公共団体である財産区を柳沢市長が「民間組織」だと誤解し、権能を理解せずに契約したなら「錯誤に基づく契約だとして、いったん破棄を申し入れるべきだ」として異議を唱えた。
大栄環境は産廃施設で御前崎市の家庭ごみを受け入れると明言しており、水野克尚市議は、現在運転している家庭ごみ焼却施設の耐用年数が残り少ないこともあり、将来的に必要な施設として柔軟に対応するよう意見した。