茨城 ゲリラ不法投棄急増 18年度50件と3年で4倍に
2020/02/05
ニュース
近年、茨城県内の建設現場で出た産業廃棄物を、トラック1〜2台で運び道路際などに不定期的に捨てていく「ゲリラ不法投棄」が増加していて大きな問題となっている。
県内では、2018年度は50件確認され、ここ3年で約4倍に増えており、不法投棄する大規模現場の設置個所が減少していることが原因と考えられている。特に県南・県西地域で被害が多く、県は市町村や民間事業者と連携し、監視体制を強化する方針。
県不法投棄対策室によると、1件当たりの投棄量10トン未満を含めた県内への不法投棄の新規発生件数は、15年度から3年連続で100件以下と減少傾向にあったが、18年度は101件と増加に転じている。そのうちの約50件が県不法投棄対策室によると、ゲリラ不法投棄で、16年度は13件、17年度は28件と増加傾向になっている。18年度の50件の市町村別内訳は、つくば、土浦両市が11件で最多。次いで古河市が5件、かすみがうら市と下妻市、常総市、境町が3件。
県内の不法投棄は、建設需要の高い首都圏から捨てに来るケースが多く、アクセスの良い県南や県西、鹿行地域で多い。
最多のつくば市では、建物の解体で生じたコンクリートや木材、建築資材のくずなどが交ざった建設系廃棄物が大半で、人家の少ない道路際の空き地や資材置き場などで深夜時間帯に投棄されている。
他県から持ち込まれたような廃棄物もあり、市は県とともに重点区域の定期巡回を強化するものの、投棄者の特定は困難な状態。
同室によると、18年度に県内で新たに確認された10トン以上の不法投棄は18件で千葉県と並び全国ワーストで、投棄量は1384トンで全国で9番目の多さ。
県によると、近年、東京五輪やリニア中央新幹線の整備などで産業廃棄物の大量発生が想定され、不法投棄の増加も懸念されるとして対策を強化してきたにも関わらず、実際には増加傾向にあり、県は今後、県民センターの監視班や民間委託のパトロールを強化し、各業界団体やボランティア監視員らとも連携して対策を講じていく予定。