太陽光発電廃パネルのリサイクル事業活発化
2017/10/27
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2012年に固定価格買取制度が開始されて以降、太陽光発電が急速に普及したが、製品寿命は25年と言われており、2040年には廃パネルの廃棄量が約80万tの見込みだという。これを受け、太陽光発電パネルをリサイクルする事業が活発化している。
太陽光パネル製造装置開発の株式会社エヌ・ピー・シーは、リサイクル用設備の試運転を始め、11月から本格的に稼働する。また、三菱マテリアルも設備の試運転を開始している。
エヌ・ピー・シーは、産業廃棄物処理の株式会社浜田と50%ずつ出資し合弁会社「PVテクノサイクル」を設立し、太陽光パネルのリサイクル、リユース技術の確立を進めている。従来は、ガラスと電池を分離するのが難しく、粉砕後、最終処分場で廃棄していたが、同施設では、ガラスと電池を250℃に加熱されたホットナイフで切り離し分別が可能になった。これにより、ガラスを有価物として販売でき、電池部材から銀も回収できる。埋立量を減らし、資源を有効活用できる環境にやさしい処分法となる。
三菱マテリアルは、パネルの貴金属を再資源化することが可能で、装置の実証を開始している。2018年度には年間6000枚の受け入れを見込んでいる。他にも、ネクストエナジー株式会社は、廃棄物処理会社などと共に、2018年度から廃パネルの再利用設備を本格的に稼働させる。また、ソーラーフロンティア株式会社も、太陽電池を分解する技術の開発を進めているという。
環境省は、「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」を作成し、太陽光発電設備等の将来の大量廃棄等に備えるよう企業に対策を促している。