水俣条約発効 各自治体回収方法模索
2017/08/17
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8月16日、水俣条約が発効した。同条約は、2013年に開催された国際会議で採択され、水銀による環境や健康の被害を防ぐためのもので、輸出入、採掘、使用などの管理に取り組む。水銀を含んだ製品を回収し、適正な廃棄を促す。今後、対象の貨物を輸出入する場合、承認申請が必要となる。
熊本県では2014年度から全市町村で水銀製品の分別回収を実施している。リサイクル業者が回収した水銀は、県が買取りし、県庁で保管している。県内の家庭や事業所には推定で約3400kgの水銀があるとみられているが、水銀の回収量は年々、減少している。熊本市では、2014~2016年度で計40kg、熊本市外の市町村で約70kg程度という。同じく福岡市でも、水銀を含む蛍光灯などの回収箱を設置するなど取り組んでいるが、回収量は伸び悩んでいる。同市では、回収拠点を増やすなどの対策の他、ホームページなどで周知活動を行っていくとしている。
一方、回収量を上げているのは新潟市で、2013年から月に1回、特定5品目(乾電池類、蛍光管、水銀体温計、ライター・スプレー缶類)の回収を始めた。2016年度は、水銀体温計3663本、血圧計190台、温度計110本を回収したという。また、2016年2月には、区役所やドラッグストアなど計400カ所に専用の回収箱を設置した。これは、環境省のモデル事業の一環で、1か月で水銀体温計や血圧計などを合計で1000個以上回収。市の職員が、水銀製品を持ち込んだ人にエコバッグの景品を用意したことでも回収を増やした。
環境省廃棄物規制課は、水銀を含む廃棄物の処理の規制を強化するため、処理業者に対し、飛散や流出の防止措置を呼び掛けている。