滋賀県甲賀市 産業廃棄物不法投棄撤去の目処立たず
2017/05/29
ニュース
産業廃棄物中間処理業者「甲賀建設」が、滋賀県甲賀市水口町嶬峨の山林に、約11万2,000tの産業廃棄物を不法投棄した問題で、同県は、地域住民に全面撤去を目指すと伝えた。ただし、費用が推定20~30億円に上るとみられ、同社も破産手続き中のため、明確な計画はたっていない。
同社は、2011年から2015年に委託処理を受けた廃プラスチックやコンクリート片、陶器くずなど10万217tと汚泥12,333tを山林に不法投棄していた。不法投棄された廃棄物は、谷間を埋めるような状態で、県が推計したところ79,000㎥ほどの量だという。
県は、2015年7月に、改善命令を出し、産業廃棄物処理業などの許可取消しの行政処分を行った。同年12月に破産手続き開始が決定し、廃棄物は一部しか撤去されなかった。2016年6月、県は同社に措置命令を出し、撤去を命じたが応じず、同年11月に命令不履行で刑事告訴した。2017年3月、同社の元代表取締役ら3人を廃棄物処理法違反の疑いで書類送検した。
今後も、県は、同社に撤去費用の負担などを検討するとしているが、行政代執行の可能性も視野に入れている。ここ数10年で、同県で発覚した不法投棄では、最大の規模だという。