熊本地震で発生した太陽光廃パネルをリサイクル
2017/03/23
ニュース
北九州市の産業廃棄物処理業者「新菱」が、2016年に発生した熊本地震で排出された不要な太陽光パネルのリサイクルに取り組んでいる。2月中旬に初めて、被災地である益城町と菊陽町の災害廃棄物仮置場から回収した廃パネル(約120枚、約2t)を同社工場に搬入させた。
同社は、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」の協力のもと、2010年度に廃パネルをリサイクルする技術開発をスタートさせた。また、北九州市の外郭団体「北九州産業学術推進機構(FAIS)」と共同で処理方法を開発。2015年度にはリサイクル率95%を達成させた。同社の担当者は、技術を活かし、復興の一助になればと話す。
太陽光パネルの寿命は約20年。今後廃棄される太陽光パネルは増加の一途が予想されるが、回収システムは確立されていない。同社は、九州7県と山口県に約20箇所の専用回収ボックスを設置するなど広域収集ネットワークを構築するモデル事業も実施。数年以内の事業化を目指す。まだまだ認知度が低くく、現在のところ回収されたパネルは数tだが、今後公費解体が進むにつれ回収量は増えるとみられている。同社は、現在のところ対象外となっている破損が大きいパネルのリサイクルも技術開発していきたいとしている。