環境省 中央環境審議会 廃棄物処理政策における論点整理案まとめる
2016/09/02
環境省
9月1日、環境省中央環境審議会の廃棄物処理制度専門委員会は、廃棄物処理政策における論点整理案をまとめた。
今後検討する論点は、「廃棄物適正処理のさらなる推進」、「健全な資源循環の推進」、「地球温暖化対策の強化」、「廃棄物処理法に定める各種規制措置の見直し」など。また、食品廃棄物の不正転売事件を受け策定された再発防止策を、他の産業廃棄物にも適用するよう順次進めていく。さらに、段階的に電子マニフェストを義務化していく考えも示した。
「廃棄物適正処理のさらなる推進」については、「建設企業など排出事業者による産業廃棄物処理業者の処理状況確認を一層充実させる措置」や「排出事業者の処理業者に対する不当に低い処理費での委託を防ぐための対応」、「建築物の解体時での残置物に対する適正・円滑処理に向けた対応」、「処理施設設置許可が必要な施設の範囲などを検討」などの課題を挙げた。
同省は、処理状況の透明性を高めるため、「都道府県による抜き打ち立ち入り検査」、「インターネットによる処理状況の情報公開」、「排出事業者責任に基づく必要な措置の適正実施を確認するチェックリストの活用」などの食品廃棄物対策を、他の産廃にも順次広げていく考えを提示。電子マニフェストについては、第3次循環型社会形成推進計画の目標であった「2016年度末に普及率50%」にわずか及ばず、今年7月末での普及率は44%だった。利用率を更に上げるため、普及状況を見ながら一部の事業者から段階的に義務化するなどの対策を講じるべきとしている。
建築物解体時の残置物に対する適正・円滑処理については、自治体、処理業者、建設業者の関係者が連携して円滑に処理している事例があることから、こうした事例を周知していきたいとしている。
同委員会では、年内にも検討成果を報告書にまとめ、場合によっては法改正もありえるという。