茨城・常陸太田市 大量の震災がれき山林に3年放置
2014/11/25
ニュース
東日本大震災で発生したがれきと関東一円の産業廃棄物が、茨城県常陸太田市の山林に大量に捨てられ、苦情が出た11年11月から約3年にわたり放置されていることが24日、分かった。
山林から有害物質も検出され、住民らからたびたび苦情が出ている。茨城県は「警察が捜査中であり現場を変えられない」としているが、不法投棄の監視や環境保全への対応が問われそうだ。
都道府県の認可を受けず廃棄物を処理するトラック運転手らに山林への投棄を促していた山林の元管理人(59)は「毒性の強い廃液が入ったドラム缶がトラック10台分、地中に埋まっている。乗用車も数台埋めた」と話している。運転手ら4人がトラック数台分を捨てたとして廃棄物処理法違反(不法投棄)罪で今年2月から10月までに起訴され、2人は有罪判決が確定。運転手の1人は公判で「震災がれきも捨てた」と陳述した。
山林は、コンクリートのがれきや廃材などが散乱し、農業用水につながる川にも一部が流出。地主が土壌分析を東京都環境公社や民間の検査会社に依頼したところ、基準値の3倍を超える六価クロムのほか、微量の鉛やヒ素も検出された。
廃棄物処理法は、不法投棄の実行者や排出責任者に知事が撤去命令を出せると定めている。県不法投棄対策室は「捜査が終了したら現場を詳しく調べて、撤去を命じるかどうか検討したい」と話している。
出典:スポニチ