敷地内に産廃放置「イングランドの丘」に改善指示 淡路県民局
2014/11/13
ニュース
金属くずや陶器片などを適切に処理していなかったとして、観光施設「淡路ファームパーク イングランドの丘」(南あわじ市八木養宜上)が、淡路県民局から産業廃棄物処理法に基づく改善指示の行政指導を受けていたことが12日、同局などへの取材で分かった。施設側は、遅くとも年内にすべての廃棄物を処理するとしている。
同局などによると、「イングランドの丘」の敷地内で、樹木の支えに使われた金属くずや植木鉢など陶器の破片約30キロ、伐採木など約300立方メートルといった廃棄物が見つかった。施設内の荷物搬送などで使用されたとみられるナンバーのない軽トラックも放置されていた。同局は産業廃棄物が放置されていたと判断。「不適切な処理」として10月27日、産業廃棄物処理法に基づく改善指示を出した。これを受けて施設側は、すべての廃棄物を年内に片付けることを書面で回答したという。
同施設は廃棄物の放置は「平成20年ごろから続いていたのではないか」としている。軽トラックは約10年前からあったという。伐採木の大半は施設で飼育しているコアラのエサとして育てているユーカリの木で今夏の台風の影響で倒れた。
同施設の担当者は「誠に申し訳なく思っている。二度と同じようなことが起きないよう従業員には社員、アルバイトを問わず指導を徹底したい」と述べた。同局は「適切な処理を速やかに行ってもらうとともに、従業員の再教育を徹底してほしい」と指摘した。
このほかにも今年6月に農薬を含む劇物の管理について、同局洲本健康福祉事務所が「イングランドの丘」に立ち入り検査を実施。保管庫に劇物とそれ以外の「普通薬」を混在させたり、在庫状況や使用量などを把握する管理簿が適正に作成されていなかったりしたため、毒劇物法に基づいて指導を行っていた。
「イングランドの丘」は農村体験や動物と触れあえる施設として、平成13年に旧三原町や県などが出資して開園。現在は南あわじ市出資の第三セクター「南淡路農業公園」が指定管理者となり、同市の川野四朗副市長が社長を務めている。25年度には約39万9千人が訪れ、淡路島を代表する観光施設のひとつ。
出典:産経ニュース