栃木県、屋根付き「被覆型」に変更 馬頭の産廃最終処分場
2014/11/04
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県が那珂川町に整備を計画している産業廃棄物最終処分場(馬頭(ばとう)最終処分場)の新たな基本設計案がまとまった。これまでの計画から埋め立て位置を東側に移し、事業区域内を流れる「備中沢(びっちゅうざわ)」を保存することなどが変更の柱。県は十月二十八日に町内で住民説明会を開き、計画変更への理解を求めた。
設計案によると、埋め立て位置の変更に伴って、埋め立て容量は八十万立方メートルから六十万立方メートルに縮小。埋め立て地自体も四・八ヘクタールの全体を屋根で覆い、廃棄物の飛散や悪臭、騒音の発生を抑える「クローズド(被覆)型」とした。工事費は約百三十億円。クローズド型への変更で数十億円の負担増となるが、県は安全性を最優先したとしている。
埋め立て期間は約十二年。処分場は「管理型」と呼ぶ構造で、水処理施設を併設し、埋め立て終了後も十年ほど散水を続けて廃棄物が安定するまで監視を続ける。一部地権者の反対で事業用地の取得が滞っていたが、計画変更で事業面積は約六十五ヘクタールに縮小した。既に全ての用地取得が完了している。
さらに周辺環境への影響を考慮して、搬出入のトラックが市街地を通らないように都橋付近から久那川沿いに県が約一キロの道路を整備する。着工年度は未定だが、着工後四年をめどに、処分場整備のきっかけとなった計画地近くの北沢不法投棄物の撤去と併せて埋め立てを始める。
県は今月二十日まで設計案を県庁や那珂川町役場、県内各地の県民相談室などで公開しており、幅広く意見を募っている。設計案は県のホームページでも閲覧できる。集まった意見を踏まえ、県は来年一~二月に基本設計をまとめる。
出典:東京新聞